南の星たちと共に

保育士をしています。

株式会社の保育園って?チェーン展開する保育園

保育園は色々な運営主体があります。公立、社会福祉法人、株式会社、NPOと様々です。
私は社会福祉法人と株式会社と両方で勤めてきました。あくまで私の個人の見解ということで読んでもらえればと思います。株式会社の保育園について思うところを書いていきます。
 株式会社で運営している保育園は何十園、あるいは100、200を越える園を運営している会社もあります。例えばセブンイレブン吉野家は日本どこに行っても同じであり、多少のオリジナリティーのあるところもあるかもしれませんが、店に入ればセブンイレブン吉野家とわかります。
 しかし、保育園のをチェーン展開している運営会社は園によってカラーが違います。その園の園長によって園の特色が違います。だから、同じ会社のA園では幼稚園型の保育園であったり、B園では自由保育の保育園であったりします。
 「園長が自分の保育を具現化しやすくて素敵!」と思う人もいるかもしれませんが、私はこれは問題があると感じます。
 1つ目の問題として園長が異動になったときに大きな問題が発生します。私も経験がありますが、前任の園長が行事が大好きで乳児主体の保育園なのに、会場を借りて舞台に乳児を上げているようなことをしていました。また、通常の生活も保育士主導の子どもたちを一斉に行動させる保育をしていました。
 私が着任して正反対の保育を行うように運営に変えました。子どもに負担のない行事にし、保育士主導ではなく子ども主体の保育に変えていきました。
 その時にまず子どもたちが戸惑いを覚え、生活が変わるので負担になってしまいます。また、保育士たちも園長が代わり保育方法が代わり、大きな戸惑いを感じてしまいます。中には前のやり方が良いと言って異動を希望したり退職をする保育士も出てきます。
 つまり、運営方針を園長に任せてしまうと、園長が交代した時あるいは保育士が異動したときに保育の仕方が全く違ってしまい、子どもや保育士に負担が大きいことが一つ目の問題だと思います。
 2つ目の問題として会社として園に丸投げと言うのは許されるのでしょうか。ご存知のとおり、保育園は税金を使って運営をされています。したがって、子どもたちのために保育園のレベルを上げていく義務があります。それを園に丸投げをしてしまうというのは責任の放棄であり、何のために大きな本社が存在するのでしょうか。この保育の質を上げることの責任を果たしていないということがもう一つの大きな問題だと思います。
 しかし、園長をやるくらいだから能力が高くて志も高い人ばかりでしょう、と思われるかもしれませんが果たしてそうでしょうか。東京都内だと認可保育園の園長の月収は40万円を越えてきます。保育士という職種にしては破格の月収です。そこにはお金のために園長をやっている人もいるでしょう。
 また、保育園を作りすぎていて園長も人手不足なので、いろんな人が採用されてしまいます。このコロナ禍の中で子どものことより自分の評価を考えて、行事を強行するような園長がいることも聞いたことがあります。
 株式会社のことばかり書いてしまったのですが、社会福祉法人でもチェーン展開をしている法人はあります。そこの部分はしらないので知っている方がいれば教えてください。
 きちんと各園を管理でき、指導が行き届くならばチェーン展開をするのも良いでしょう。むしろ、待機児童解消のためにどんどん増やすべきでしょう。ただ、補助金目当てでいたずらに園を増やすのはいかがなものでしょう。
 保育園はサービス業でなく児童福祉施設であるという原点に立ち戻って考えるのが必要だと思います。