南の星たちと共に

保育士をしています。

本当にやばい保育園

聞いた話である。ある認可保育園で園長の人事考課が予算を残した事によって評価されるという話を聞いた。
お金を使わなければ使わないほど、園長の評価が上がり、賞与に反映されるとの事である。無駄金を使わないに越さないが問題点は2点あると思っている。
第1にローンなどを抱えていてお金が欲しい園長がいたら、賞与が多くもらいたいがために、保育園の備品やおもちゃを買わないで予算を残し、賞与を多くもらおうとする点である。
第2に保育園は完全に自前で運営している所は別として、ほとんどは行政の補助金で運営をしている。つまり、税金である。
保育園を運営するために補助金が降りているのに、それを使わないことによって、私的に賞与に反映させることはいかがなものか。

そして、それは子どもにとって劣悪な環境へとつながる。ほとんどの保育園の園長は子どものためにお金を使おうとするだろうが、そうでない園長がいるかもしれない。

もっと言うと、そのような発想をする経営陣がいることが問題である。保育は福祉であり、国の根幹を支える事業である。

園長をお金で釣るような事をして、子どもに取って劣悪な環境を作る保育会社には、即刻保育業界から退場を願いたい。

 

男性保育士は今

長年保育士は女性社会でした。かつては「保母」と言われていた資格も今は「保育士」とされ資格名上は性別での差別がなくなったように思えます。
 しかし、採用段階では普通に男性だからといって断られることが令和になった今でもとても多いです。
男性の園長から「誠に残念ではございますが、現在男性の保育士さんの受入態勢が出来ておりません。
ご希望に添えず恐縮ですが、何卒ご了承くださいますようお願い申し上げます。」と履歴書を送った段階で不採用の連絡が来たことがありました。男性が園長ならば少なくとも男性保育士の受け入れ体制を整えておくべきでしょう。自分は園でどうやって活動をしているのか疑問です。
 また、「男性保育士がいませんので着替えなどに問題があります。男性となると力仕事もやることになるでしょう。それでも良いならば履歴書を送ってください」というところもありました。力仕事はもちろんやりますが、私は力仕事がしたいのではなくて、保育がしたくて応募したのですが。。。
 と、他にもここでは書ききれない悔しい思いをたくさんしてきました。
正直、男性保育士が全保育士の過半数を超えているとそれはそれで厳しいかもしれませんが、各園に数名はいても良いかと思います。社会に出ればもちろん男性もいますし、家庭の代替機能として保育園を考えるならば、男性保育士がいるほうがよいでしょう。
 この保育業界で男性保育士が生き残るには圧倒的な知識や技術が必要だと思います。そのために私は日々勉強をしてきました。研鑽を積んでいる男性保育士はどれだけいるでしょうか。男性保育士がこれからさらに受け入れられていくには彼らのプロとしての意識の向上と知識や技術の向上が必須であると思います。
 ぜひ、男性保育士には日々の研鑽を積んでいって貰えればと願っています。

氷河期世代は今

私は氷河期世代です。学生時代に山一証券が自主廃業をし、北海道拓殖銀行日本長期信用銀行が破綻をしました。求人が非常に厳しく、とりあえずアルバイトへ逃れる者、止むを得ず超絶ブラック企業に就職してすぐに退職をする者など周りを含めて大変な思いをしてきました。そのまま「自己責任」の名の下に氷河期世代は捨てられてきて多くの人が正規の職につけていないと聞きます。
 私の時はエントリーカードは100社くらい出したと思います。今と違いオンラインではないので全部で手書きでした。会社に落ちつづけると、自己肯定感が低下し、良いことはないです。
 こうした状況下で1社とご縁があり、就職が出来たのですが、数年後には経営が破綻してしまいました。
私もできることならば大学を卒業した後に、年功序列のレールに乗り、終身雇用の会社で働いていたかったです。
 先日、企業の9割が氷河期世代非正規社員を採用する気はないという報道がありました。やはり年齢に相応しいキャリアを持った人を採用したいとのことでしょう。
 
 社会政策で氷河期世代を救うのは難しいのでしょうか。もちろん将来の生活保護費の増大も問題になるのだが、それだけではなく、生まれてきたからには、社会を恨むだけではなく、幸せになって欲しいと思うからです。

株式会社の保育園って?チェーン展開する保育園

保育園は色々な運営主体があります。公立、社会福祉法人、株式会社、NPOと様々です。
私は社会福祉法人と株式会社と両方で勤めてきました。あくまで私の個人の見解ということで読んでもらえればと思います。株式会社の保育園について思うところを書いていきます。
 株式会社で運営している保育園は何十園、あるいは100、200を越える園を運営している会社もあります。例えばセブンイレブン吉野家は日本どこに行っても同じであり、多少のオリジナリティーのあるところもあるかもしれませんが、店に入ればセブンイレブン吉野家とわかります。
 しかし、保育園のをチェーン展開している運営会社は園によってカラーが違います。その園の園長によって園の特色が違います。だから、同じ会社のA園では幼稚園型の保育園であったり、B園では自由保育の保育園であったりします。
 「園長が自分の保育を具現化しやすくて素敵!」と思う人もいるかもしれませんが、私はこれは問題があると感じます。
 1つ目の問題として園長が異動になったときに大きな問題が発生します。私も経験がありますが、前任の園長が行事が大好きで乳児主体の保育園なのに、会場を借りて舞台に乳児を上げているようなことをしていました。また、通常の生活も保育士主導の子どもたちを一斉に行動させる保育をしていました。
 私が着任して正反対の保育を行うように運営に変えました。子どもに負担のない行事にし、保育士主導ではなく子ども主体の保育に変えていきました。
 その時にまず子どもたちが戸惑いを覚え、生活が変わるので負担になってしまいます。また、保育士たちも園長が代わり保育方法が代わり、大きな戸惑いを感じてしまいます。中には前のやり方が良いと言って異動を希望したり退職をする保育士も出てきます。
 つまり、運営方針を園長に任せてしまうと、園長が交代した時あるいは保育士が異動したときに保育の仕方が全く違ってしまい、子どもや保育士に負担が大きいことが一つ目の問題だと思います。
 2つ目の問題として会社として園に丸投げと言うのは許されるのでしょうか。ご存知のとおり、保育園は税金を使って運営をされています。したがって、子どもたちのために保育園のレベルを上げていく義務があります。それを園に丸投げをしてしまうというのは責任の放棄であり、何のために大きな本社が存在するのでしょうか。この保育の質を上げることの責任を果たしていないということがもう一つの大きな問題だと思います。
 しかし、園長をやるくらいだから能力が高くて志も高い人ばかりでしょう、と思われるかもしれませんが果たしてそうでしょうか。東京都内だと認可保育園の園長の月収は40万円を越えてきます。保育士という職種にしては破格の月収です。そこにはお金のために園長をやっている人もいるでしょう。
 また、保育園を作りすぎていて園長も人手不足なので、いろんな人が採用されてしまいます。このコロナ禍の中で子どものことより自分の評価を考えて、行事を強行するような園長がいることも聞いたことがあります。
 株式会社のことばかり書いてしまったのですが、社会福祉法人でもチェーン展開をしている法人はあります。そこの部分はしらないので知っている方がいれば教えてください。
 きちんと各園を管理でき、指導が行き届くならばチェーン展開をするのも良いでしょう。むしろ、待機児童解消のためにどんどん増やすべきでしょう。ただ、補助金目当てでいたずらに園を増やすのはいかがなものでしょう。
 保育園はサービス業でなく児童福祉施設であるという原点に立ち戻って考えるのが必要だと思います。